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  • 執筆者の写真可児波起

クッキーレス時代への航海:新たな広告配信技術の進化とその影響


プライバシー保護と共存するプログラマティック広告の未来:クッキーレス時代とデータ規制への対策


はじめに


私たちの生活はデジタル化が進み、インターネット上の行動が以前にも増して可視化されています。


それは広告業界にも大きな影響を及ぼし、ターゲティング広告の領域で革新的な動きが起きています。


特に注目すべきはプログラマティック広告という領域で、ユーザーのプライバシーを尊重しつつ、効果的な広告配信を実現する取り組みが進行中です。


本記事では、プログラマティック広告がどのように進化していくのか、クッキーレス時代の広告配信技術とは何か、そしてデータ保護規制と効果的なターゲティングのバランスについて解説します。


クッキーレス時代の広告配信技術


ネット広告業界は、ユーザーのプライバシー保護に向けた動きとともに、広告配信の方法を模索しています。特に注目されているのが、クッキーレス時代の広告配信技術です。


クッキーとは、ユーザーがウェブサイトを訪れた際にブラウザに保存される小さなデータのことで、これによってユーザーの閲覧履歴や行動パターンを追跡することが可能でした。


しかし、プライバシー保護の観点から、クッキーの使用に制限が設けられる動きが広がっています。そのため、広告業界は新たな広告配信技術を模索しています。



日本では、サイバーエージェントが開発した「AudienceOne」が注目されています。


これは、非個人識別情報(Non-PII)を活用した広告配信技術で、クッキーレス時代でもユーザーの興味・関心に合った広告を配信できるというものです。


AudienceOneは、ユーザーのウェブ閲覧履歴やアプリの利用状況を元に、非個人識別情報を集め、それを分析することで、ユーザーの趣味や関心を把握します。


そして、その情報を基にしたターゲティング広告を配信します。サイバーエージェントの調査によれば、このAudienceOneを利用した広告は、従来のクッキーを使用した広告配信と比較して平均的に2倍以上のクリック率を達成しています。


これは、広告がユーザーの興味・関心により密接にマッチしているためと考えられます。



また、デジタル広告大手のDentsu Digitalは、「IDソリューション」という新たな広告配信技術を開発しました。


これは、ユーザーのデバイス間での行動をトラッキングすることで、一貫した広告配信を可能にするものです。


クッキーレス時代でも、ユーザーの購買行動や興味を把握し、より適切な広告を配信することが可能となります。


データ保護規制と効果的なターゲティングのバランス


プライバシー保護の観点から、データ保護規制が厳格化されています。それに伴い、プログラマティック広告の分野でも、ユーザーのプライバシーを尊重しつつ効果的なターゲティングを実現することが求められています。


日本でも、個人情報保護法の改正により、データの取り扱いについての規制が強化されました。そのため、企業はユーザーの個人情報を扱う際に、より慎重になる必要があります。


このような状況の中で、データの取り扱いについての透明性を確保しつつ、効果的な広告配信を行うための取り組みが進められています。


例えば、LINEは「LINE Ads Platform」を提供しています。これは、ユーザーがLINE上での行動や関心をもとに、適切な広告を配信するサービスです。


LINEでは、ユーザーのプライバシーを尊重するため、広告配信に使用するデータは匿名化され、個人を特定することはできません。そのため、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、効果的な広告配信が可能となっています。



また、Yahoo! JAPANも「Data Management Platform(DMP)」を提供しています。このDMPは、非個人識別情報を基にユーザーの興味や行動を分析し、ターゲティング広告を配信するシステムです。


これにより、広告主はユーザーのプライバシーを尊重しつつ、自社商品やサービスに最も興味があると推測されるユーザーに対して広告を配信することが可能となります。



さらに、このようなデータ保護規制の強化は、広告業界全体においても新たなビジネスチャンスを生み出しています。


例えば、データエチックに特化したコンサルティング企業「DataEthics」は、企業がデータを適切に管理し、プライバシーを尊重したビジネスを展開するためのサポートを提供しています。


このようなサービスは、データ保護規制が強化される中で、ますます重要となってきます。


まとめ


プログラマティック広告は、ユーザーのプライバシー保護という新たな課題を迎えながらも、進化を続けています。


クッキーレス時代の広告配信技術やデータ保護規制とのバランスを模索する中で、新たな広告配信の形が生まれつつあります。


日本の企業もこの変化を先取りし、新たな広告配信技術を開発しています。また、データの取り扱いについても、プライバシーを尊重しつつ効果的な広告配信を実現するための取り組みが行われています。


これらの取り組みは、ユーザーのプライバシー保護という観点から必要なものであり、それと同時に、広告の効果を高めるための重要な要素でもあります。これからもプログラマティック広告の進化に注目し、その動きを追い続けていきたいと思います。

 

著者名:

【可児波起:海辺の部屋CEO】

ラップミュージシャンとしてメジャーデビュー。障がい者の介護職をするラッパー「介護ラッパー」としてフジテレビで2度特集。ビジネス領域では、「デジタルマーケティング」「Webマーケティング」のスペシャリストとして「ナショナルクライアント(東証プライム)企業」で、戦略コンサルタントなどを行う。高速のキャッチアップ、PDCAで、「確実に成果を出し」続けている。

「マーケティングは『愛』である」という、「人の優しさ」を大切にしている


海辺の部屋ホームページ

https://www.umibe.art/

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