「ゼロクリック」の恐怖!インターネットが終わった日
- 可児波起
- 7 日前
- 読了時間: 4分

「ゼロクリック」の恐怖!インターネットが終わった日
Googleはなぜ、AIで「検索」を終わらせてしまったのか?
広告ビジネスの仕組みから見える“静かな崩壊”
最近、Googleの検索画面に「AIによる要約(AI Overview)」が表示されることが増えてきました。
調べ物をすると、検索結果の一番上にAIがまとめた答えが出てきて、
「わざわざリンクを押さなくても、もうわかった」と感じた方も多いはずです。
実はこれ、私たちの「検索の仕方」が変わっただけでなく、Googleという巨大企業のビジネスモデルそのものを揺るがしている出来事なのです。
■ Googleのビジネスモデルは「クリックで稼ぐ」
Googleの主な収益源は広告です。
しかもその大部分は「クリック課金型広告(CPC)」です。
たとえば、あなたが「賃貸 新宿」と検索すると、
検索結果の上や下に「広告」と書かれたページが表示されますよね?(スポンサーと書かれています)
あれをユーザーがクリックした瞬間、広告主はGoogleにお金を払い、Googleに収益が入ります。
表示されただけでは、お金は発生しないのです。
これが、1クリックいくらという「クリック課金性」の広告モデルです。
■ でも、AIの要約がそれを壊しはじめている
AI要約が便利になればなるほど、
人はリンクをクリックしなくなるんです。
→最上部のAI要約を読む→終わり
その結果、
→ サイトに行かない
→ 広告をクリックしない
→ Googleにお金が入らない
これが「ゼロクリック」の怖さなのです。
要は、広告が目に入らないまま、知りたいことが分かってしまう。
Googleの広告モデルは、「クリックされて初めて成立する」仕組みだったのに、そのクリックが消えてしまうという大きな構造変化が起きているのです。
「AIが便利すぎる」と、Googleは儲からなくなる。
──誰も教えてくれなかった、収益モデルの落とし穴
Googleの年間売上は、約40兆円(2024年)にのぼります。
そのうち75〜80%が広告収入であり、中心にあるのは「検索広告」と呼ばれるビジネスです。
検索連動型広告(リスティング広告)や、サイトに貼られるディスプレイ広告などは、すべて「クリック」されることでお金が発生する仕組みです。
Googleは、人が検索し、リンクをクリックすることで収益を上げてきたわけです。
■ でも、AIがそれを“短絡化”してしまった
AI要約が普及すると、人は検索してもリンクをクリックしなくなる。
答えを読むだけで満足してしまい、企業のWebサイトには訪れません。
その結果、Googleの「お金の入口」だったクリックが、目に見えない形で消えていくのです。
■ 「でもGoogleには別の事業もあるから大丈夫?」
と思う人もいるでしょう。
Googleのクラウド事業「Google Cloud」昨年やっと黒字化しました。
売上は広告の1/5以下、利益率もまだ低く、検索広告のような“ドル箱”にはなり得ません。
代わりにはならないのです。
■ しかも、Googleが期待するGemini(生成AI)も収益化できていない
• 有料プラン(月額約20ドル)はあるが、利用者数・売上は非開示
• AIの中に広告表示もされていない
• ユーザーは「便利」と感じても、Googleはそこからお金を得られない
つまり、ゼロクリック現状により、Googleの広告モデルが壊れていく一方で、次の収益の柱が立たない、という、壊滅的な方向に進んでいます!
【まとめ】
GoogleはAI要約を導入することで「ユーザーの利便性」は確保しました。
でもその裏で、「広告が見られなくなる」「クリックされなくなる」
つまりビジネスモデルの根幹が崩れているのです。
そしてまだ、広告収益の減少を補える代替案は見つかっていません。
なら、今後、Googleはどうなるのか?
ある地点を境に、急激に業績が悪化する未来が予想されます。
この構造を理解している人は、まだ多くありません。
だからこそ、私はこうして「検索の静かな終わり」と、それがもたらす波紋について発信しています。
検索から、クリックが消える。
そのとき、Googleが築いた帝国もまた、音を立てずに崩れていくのかもしれません。
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