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AI漫画で人間は「描く人」から「つながりを見る人」へ|continuity editorという役割

20 時間前
読了時間: 4分
AI漫画の複数ページを並べ、赤い丸やバツで連続性の破綻を確認するcontinuity editorの検品ビジュアル

これは、生成AIで漫画を作ってみたら、人間の役割が「絵を描く人」ではなく、「ページを並べて違和感を見つける人」へ変わっていった話です。


僕は実在の保護猫・日向との体験をもとに、水彩コミック『ひなたは、先にころぶ ―保護猫から家族へ―』を生成AIと作りました。

AIは大量のコマ割り案や画像を作れます。

でも、1枚ずつ綺麗に描けることと、漫画としてつながることは別でした。


制作中、僕が何度もやっていたのは「描くこと」より、前後ページを見比べて「ここ、おかしい」と止めることでした。

後から考えると、これは continuity editor、つまり連続性を守る編集者に近い仕事でした。



AIが作った一枚は綺麗。でも、並べると壊れる


制作中に起きた問題は、一種類ではありません。

日向の見えにくい左目が逆になる。

僕の年齢や顔が別人になる。

ケージから出た日向が次ページで戻る。

同じ構図が何ページも続く。

感情場面を細かく分けすぎて、間延びする。

水彩の質感が急に変わる。


一枚だけ見ると、それぞれ成立している場合もあります。

でも漫画として並べた瞬間に、物語の連続性が壊れていることが分かります。



continuity editorが見るのは「同じにする」だけではない


連続性と聞くと、全部を同じにする仕事に見えます。

でも実際は逆です。


変わってはいけないものは守る。

変わるべきものは、ちゃんと進める。


人物の顔、左右、場所の状態は維持する。

一方で、距離、姿勢、感情、関係性は物語に沿って動かす。

「固定」と「変化」を同時に見る必要があります。



人間が握ったのは、採用と方向転換


この制作でAIは、かなり多くの作業を担当しました。

設定整理、コマ割り案、画像プロンプト、画像生成。


僕がやったのは、出てきたものを見ることです。

違和感があれば止める。

実写真を追加する。

6ページを3ページへ圧縮する。

構図を変える。

どの画像を採用するかを決める。


生成量が増えるほど、人間の価値は「全部自分で作ること」から「何を残すか決めること」へ移りました。



間延びは、ページを並べて初めて見つかった


特に分かりやすかったのが、15〜20ページ付近です。

一枚ずつ見ると、どれも悪くありませんでした。


でも並べると、同じ構図、同じ距離感、同じ感情が繰り返されていました。

僕は「めちゃくちゃ間延びしている」と指摘し、その後ページを圧縮しました。


この問題は、一枚の生成品質を評価するだけでは見つけにくい。

continuity editorの検品単位は、画像一枚ではなく前後の並びです。



「なんか違う」が、次の生成ルールになる


最初から完璧なチェックリストがあったわけではありません。

「この目、逆」「この顔は僕じゃない」「さっきケージから出たよね」「また同じ構図」という、人間の違和感から始まりました。


そして、その違和感を次のルールへ戻します。

左目が安定しないなら構図で回避する。

状態が巻き戻るならSTATEを再注入する。

同じ場面が続くならページを圧縮する。


人間の感覚的な修正が、次のAI生成を改善する仕様へ変わっていきました。



人間が永遠に監視すべき、という話ではない


この制作では人間が何度も介入しました。

ただし、すべてのAI漫画で毎回同じ頻度の人間監視が必要だと検証したわけではありません。


一度見つけた違和感をルール化できれば、その後はAI側のチェックへ戻せる可能性もあります。

この記事で記録したいのは、少なくともこの作品では、人間がcontinuity editorとして実際に機能したということです。



まとめ


AIが大量に描けるようになると、人間が描かなくてよくなる。

でも、人間の仕事が消えるわけではありませんでした。


誰が同じ人物なのか。

何が前ページから続いているのか。

どこが長すぎるのか。

どの違和感を次のルールへ戻すのか。


AI漫画では、人間が「描く人」から「つながりを守る人」へ移る場面があります。

僕にとってcontinuity editorという言葉は、その役割をかなり正確に表していました。







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