「優しくありたい by STAND WAVE」を綴る
- 可児波起

- 5月7日
- 読了時間: 4分

優しさって、なんだろう。
きっと多くの人は、
「怒らないこと」
とか、
「受け入れること」
とか、
「否定しないこと」
を思い浮かべるのかもしれない。
もちろん、
それも優しさだと思う。
でも、49年生きてきて思うのは、
優しさって、
もっと静かで、
もっと不器用で、
もっと“覚悟”のいるものなんじゃないかな、ということ。
僕は昔から、
人の表情や空気に敏感だった。
「大丈夫です」
と言いながら、
本当は全然大丈夫じゃない人。
笑っているけど、
心が疲れ切っている人。
強い言葉を使うことでしか、
自分を守れなくなっている人。
そういうものが、
なぜか見えてしまう。
だから、
人混みに行くと疲れるし、
ニュースを見ても苦しくなる。
世の中には、
“正しいこと”
はたくさんある。
でも、
“優しいこと”
は、意外と少ない。
僕は音楽をやってきた。
自然のことを歌って、
人との繋がりを歌って、
「生きる」ということを歌ってきた。
なぜそんな歌ばかり書くのかと聞かれたことがある。
たぶん、
人間は放っておくと、
どんどん冷たくなるからだと思う。
効率。
数字。
正しさ。
そればかり追いかけていると、
人は簡単に、
“目の前の一人”
を見失ってしまう。
でも、本当に大事なのって、
世界平和とか、
大きな理念の前に、
「今、目の前にいる人を、
ちゃんと大切にできるか」
なんじゃないかな。
僕は東日本大震災のあと、
岩手の大槌町に何度も通った。
最初は、
“支援”
という言葉だったのかもしれない。
でも、途中から、
そんな言葉はどうでもよくなった。
ただ、
会いたい人がいて、
心配な人がいて、
顔を見たい人がいた。
それだけだった。
優しさって、
“助けてあげること”
ではないと思う。
上から手を差し伸べることでもない。
同じ目線で、
「一緒にいるよ」
と言えることなんじゃないかな。
そして、
優しさには、
強さが必要だ。
これは、
歳を重ねるほど思う。
人に優しくするって、
簡単じゃない。
裏切られることもある。
誤解されることもある。
傷つくことだって、
本当に多い。
それでも、
人を嫌いにならないこと。
それでも、
“優しくありたい”
と思い続けること。
それは、
かなり強い意志がないとできない。
僕は、
自然が好きだ。
海を見ていると、
優しさって何かを考える。
海は、
穏やかに包み込む日もある。
でも、
時には大きな波になる。
台風も来る。
荒れる。
だけど、
それも含めて自然なんだよね。
優しさも、
同じなのかもしれない。
ただ甘いだけじゃない。
人を守るために、
厳しくなることもある。
間違っていることに、
ちゃんと「違う」と言うこともある。
それも、
愛から生まれる優しさなんだと思う。
最近、
生成AIと長く対話するようになって、
改めて感じることがある。
人は、
“理解される”
だけで、
少し救われる。
否定されないこと。
急かされないこと。
ちゃんと話を聞いてもらえること。
それだけで、
呼吸が深くなる瞬間がある。
だから僕は、
これからの時代、
一番大切なのは、
優秀さより、
優しさなんじゃないかと思ってる。
どれだけ便利になっても、
どれだけAIが進化しても、
最後に人を救うのは、
“温度”
だと思うから。
優しさって、
目立たない。
数字にもなりにくい。
損をすることも多い。
でも、
人生の最後に残るのは、
きっとそこなんじゃないかな。
希望とか絶望とか、
綺麗事とか現実とか、
全部抱えたまま、
それでも、
誰かに、
「あの人に会えてよかった」
そう思ってもらえること。
優しさ。。
【著者:可児波起@STAND WAVE】
「STAND WAVE」のリーダー。メジャーアーティスト。25年のキャリアを持ち「ネイチャーヒップホップ」のジャンルを確立。『生きる』や『大自然』をテーマに曲を作り上げてる。ラップや歌のほか、作詞・作曲家として「JASRAC」に登録。多くのアーティストに楽曲提供。心に響くメッセージを歌詞に込めている。
海辺の部屋CEO
海辺の部屋
STAND WAVE




コメント