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【“優しさ”は、設計にも、数字にも、ちゃんと映る】


可児波起の画像

最近よく考えるのは、「優しさって、仕事のどこまで設計できるんだろう?」ということ。


僕は普段、クライアントワークやDXプロジェクトに関わっている。

要件定義書を作り、業務フローを設計し、KPIや成果指標を丁寧に積み上げていく。


どこをどう改善すればもっと成果が出るか、どこにボトルネックがあるのか、みんなで議論する。


数値は残酷だけど、正直でフェアだ。


でも、気をつけないと「数字の奴隷」になってしまい、本来“誰かのため”に始めた仕事の意味を見失いそうになることがある。


そんな中、僕が「これは違うな」と感じたのは、パソコン教室の現場に何度も足を運んだときだった。


教室で、シニアの生徒さんがパソコンの前で手が止まっていた。

「これ、どうすればいいの?」

その問いは、マニュアルには載っていない“ちょっとした困りごと”だった。


スタッフはすぐに駆け寄り、笑顔で一緒に解決していた。

決して「手順通りにやってください」と突き放すことはない。

仕事のフローとしては、効率的ではないかもしれない。


だけど、その“寄り添い”や“優しさ”が、教室全体の空気を変えていた。


その月のアンケートには、


「ここに来ると安心する」

「わからなくても上達できる」


という声がたくさん寄せられた。


売上も伸びた。


数字は“優しさ”とは無関係に見えるかもしれないけれど、実は見えないところで、しっかり結果として現れることがある。


僕は思う。


「システム」や「仕組み」も、結局はどこまで“優しさ”を埋め込めるかで、現場の力が決まる。


要件定義でも、UX設計でも、


「誰かが困らないか」

「このプロセスは誰かに無理を強いていないか」


そんな問いかけを何度も重ねていく。

現場の声に耳を傾ける。


うまくいかないことがあっても、その理由を「人のせい」にしない。


優しさは、ただ“甘やかす”ことじゃない。

きちんと仕組みに落とし込んで、「困ったときに助け合える流れ」を設計することだ。


「困ったらいつでも声をかけてください」とひと言添えるだけで、


現場のスタッフが安心してミスをカバーできるようになる。


たったそれだけで、「人が人を支える」力は何倍にも強くなる。

数字や設計の世界にも、“優しさ”はちゃんと映る。


むしろ、それを映し出す努力を続けることで、プロジェクトや会社はもっとしなやかに強くなると僕は思う。


どんなに仕組みが洗練されていても、


そこに“人の優しさ”がなければ、


最後は誰も幸せにならない。

僕は、仕事のどんな場面にも、“優しさ”を埋め込む設計者でありたいと思っている。


海辺の部屋CEO

可児波起

 
 
 

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